タイタニック

有名なだけあり、心に刺さった。

身分が異なる2人がつくる物語。

富裕層で既に婚約者がいるローズが、日々繰り返される代り映えしない退屈日常に嫌気がさし、船から飛び降りようとしたことからジャックとの距離が近づいていく。富裕層は周りが満たされていることが当たり前となり、日々満たされない欲求を埋めるために、周りからの承認欲求や物欲を満たしていくのだと思う。周りから成功者と思われることが幸せになってしまい、自分で自分の心を満たすことができない。結果として、最後のシーンのように自分の命さえよければという心の狭い考え方をしてしまう。対する富裕層ではない人々は、周りに物は満たされていない代わりに小さな幸せをかみしめることができ、自分で自分幸せを見つけられる。船の下の階でのダンスや賭け事等、富裕層から見ればはしたないと思うようなことも、自分が楽しいと思いながらやっているから笑顔であふれている。お酒をかけられても怒ることもなく、笑顔で流せるステキな空間になっていた。そのようないわゆる貧困層側の生活スタイルをジャックがローズに教えていくうち、ローズも普段出すことのない屈託のない笑顔を見せる。しかし、それをよく思わない富裕層の人間は、ローズを再び富裕層の世界に戻そうとし、ジャックと会うことも禁じてしまった。暴力を受け、恐怖を覚えたローズはジャックにかかわらないでというあ、考えた挙句ジャックとともに生きていくことまで決意した。二人の間で愛が芽生えた矢先、氷山との接触で船が浸水していく。人命救助のためのボートは少なく、全員が助かることはできない。女子供を優先的にボートに乗せていくため、ローズが先にボートに乗ることに。しかし、ジャックが乗るだけのボート数がないと悟ったローズが相手のことを思い、自分の命も顧みず船に戻ったシーンには熱い気持ちが感じられた。船が少しずつ沈み、命の危険が迫ってくる中でもジャックは消してあきらめず、ローズにもあきらめない気持ちを芽生えさせる。お互いがお互いを思いあっている姿には心打つものがある。最後の最後まであきらめずに助かると信じたローズはボートにより助けられたが、その時すでにジャックは命を落としてしまった。ジャックに関するものは何一つ残っていないが、彼と過ごした短い日々の記憶はローズの心の中に刻まれていおり彼が教えてくれるはずだった経験を、救助された後にローズが果たしていることを最後に映る写真が物語っていた。本作品では、富裕層、貧困層の生活、考え方の違いをあらわしており、愛の尊さを最後の最後まで見せつけてくれる。